こんにちは。
自由が丘ブライト歯科、院長の内海です。
歯医者さんは当たり前のように器具を滅菌してくれている、そう思ってはいませんか?
先日、読売新聞でちょうどその内容に触れた記事が出ました。
その記事は厚生労働省研究班の調査により、歯科医1000人に郵送でアンケート調査を行い、
その結果を集計してどのくらいの割合の医院が滅菌をしているのか?というデータをまとめた内容でした。
アンケートの結果、17年2月までに700人から回答があり、それらの医院の内、52%しか滅菌を行っていないとのことでした。
実はこのアンケート調査は国立感染症研究所などの研究班の調査によって3年前にも特定の県の歯科医療機関3152の施設に対して実施されていました。
その際は、2014年1月までに891施設(たったの28%)より回答を得ており、その内ですら、約66%の医院で適切に器具を交換していないとのことでした。
別の県でも同じ2007~2013年の間で4回行い、回答した医院の内、器具の使いまわしをしているのは平均71%という結果でした。
時代が進んで感染対策をするために滅菌することが当たり前となっている世の中で、
滅菌の必要性の浸透がこれだけ遅いことは非常にまずい問題と考えています。
私としては、歯科業界の問題にマスコミがきちんとメスを入れたことを“ついに来たか”
と感じる部分もある一方で、そのような歯科業界の現状が改善されればそれもまた良いことだと思います。
本来であれば、第三者から言われる前に自分たちで患者さんのことを思って当然やるべきことだと私たちは考えているからです。
確かに、滅菌機と歯を削る器具(ハンドピース)は安いものではありません。開業時に高額な機器をそろえるために大変な思いをしたのを覚えています。
また保険の治療費の現状からも医院が滅菌機と何十本ものハンドピースを新たに導入するのが難しいという理由がわかります。
保険診療を中心に診療をしていると機材をそろえるのに必要な利益が残らないことも、
私も保険で出来る範囲はきちっと保険で解決をしていきたいという立場で普段の診療に当たらせていただいているからこそわかります。
しかしそれらは、他人に使った器具を使いまわしても良いという理由にはなりません。
どのような状況であれ、患者さんのことを考えれば確実に滅菌を行うべきです。
もっというと、本当は滅菌を確実に行うために滅菌機を買うだけではなくて運用体制を整え、器具の滅菌をきちんと確実に行っていくことが必要です。
確実に滅菌を行うために当院では、運用体制はもちろんのこと、
スタッフ一人一人に患者様のお口に入るものが清潔であることがいかに大切なことであるかということをしっかりと院内で共有しています。
患者さんが安心して治療を受けていただけるように、今後とも確実な滅菌の運用を行っていきたいと思います。