当院へのご相談の多くは、歯に痛みや違和感が出たとの内容が多いのですが、実際には痛みや違和感が出ている歯は、過去に1度以上治療を受けている歯がほとんどです。
我々はこのようなケースを“再治療”と呼んでいます。
再治療は今に始まったことではなく、昔から問題視されてきていました。
例えば20年以上前に治療された歯に違和感を感じてお越しになった患者さんがいました。
お話を伺ってみると、銀歯を使っているころに徐々に噛みにくさを感じられ、また銀歯の見た目が気になるとのことでセラミックに変えられたようでした。
しかし、セラミックの歯を入れた後にも違和感が治まらず、当院にご相談いただきました。
まずはレントゲン撮影を行って患部の状態を確認した所、過去に治療済みであったはずの歯の根の疾患が改善しておらず、先の方に膿が溜まってしまっている状態でした。
これではいくら精密なセラミックの歯を入れたとしても、噛んだ際に違和感が出てしまうでしょう。
私もドクターとしてその状態を診た際、はじめに思ったことが「どうしてセラミックの歯を入れ直す際に気づけなかったのか?」ということでした。
当たり前のことではありますが、セラミックに限らずどのような治療においても何か手を加える前にはお口の状態についてあらゆる情報を集め、診断を通してからでしか治療を行うべきではありません。
当院がカウンセリングや、審査診断に時間をかけるのもこれが理由です。
患者さんにも多少ご協力いただくこともあるかもしれませんが、せっかく治療をした歯があとになって悪くなってしまっては元も子もありません。
どんなに小さな治療でも安易に決めることはおすすめできません。よろしければお話を伺いますので、一度お声がけいただければと思います。